はじめに、エアサスとは
みなさん、エアサスと聞くとどのような印象を感じるでしょうか。
「乗り心地がよい」や「故障すると大変」といった印象を感じる方が多いのではないでしょうか。
一般的には高級車や高級グレードに搭載されていることが多く、
メルセデスベンツでも、フラッグシップモデルであるSクラスが代表的な搭載車種です。
そんな中、CクラスでもW205型から一部グレードに対しエアサスが搭載され、大変注目を集めました。
そもそも、エアサスとは「エアサスペンション」を省略した言葉で、
足回りを構成する部品となり、車の乗り心地を大きく左右する非常に重要な箇所になります。
この図のように、タイヤの上にあるバネのような部分がサスペンションとなり、
通常はこのようにバネ状のコイルスプリングであることがほとんどです。
車が走行をする際に、路面から様々な衝撃が加わります。
下からの衝撃に対して、このように上からサスペンションの反動で相殺することで車体をフラットに保ち、乗り心地を良くしています。
では、何故エアサスが乗り心地が良いのかといったことを解説いたします。
バネのサスペンションの場合、上から反動を返す際のバネの硬さが一定となります。
それが、エアサスの場合は空気が入ったエアバッグにて反動を返すため、
空気の量により流動的に硬さの調整が利くことが大きなメリットです。
さらには、路面からの入力に対して、上からの反動を返すまでのレスポンスもバネより良く、
車体がフラットな姿勢を維持することが可能となるのです。
また、空気の流入量をかんたんに調整することができることもあり、
車高を何段階かに調整したり、乗り味の硬さを調整したりすることを、
ボタンひとつでカンタンにできることも大きな特徴となります。
W205 Cクラス エアサスのメリット
エアサス自体がとても便利であることは、お伝えできたかと思いますが、
W205 Cクラスにエアサスが搭載されたことで、どういったメリットが生まれたのかといったことについて解説いたします。
Cクラスにエアサスは贅沢装備!?
冒頭でも説明した通り、エアサスというのは高級車や高級グレードに搭載されていることが多い装備となります。
下記はエアサスを搭載している主な車種となります。
【メルセデスベンツ】
Sクラス、GLS、AMG GT4ドアクーペ、CLS、GLE、マイバッハなど
【BMW】
7シリーズ、X7、X5など
【アウディ】
A8、Q8、Q7など
【ポルシェ】
パナメーラ、カイエン、マカンなど
【レクサス】
LS、LX
新車価格でいうと1000万円オーバーのラインナップばかりです。
そんな中、新車価格が419~644万円のW205 Cクラスに対してエアサスが搭載されたということは、とても革新的なことなのです。
ましてや、W205 Cクラスはエアサスだけでなく、内外装や主要装備、すべてにおいて大きく先代モデルを上回る出来栄えで、大きな評価を集めたモデルです。
ただでさえ隅々まで満足できる仕様に進化しているにもかかわらず、エアサスまでもが搭載されたことで鬼に金棒状態になりました。
Cクラスは車体が軽い
W205 Cクラスは車両重量が1590kgと、上記でも触れた主な搭載車種の車両重量と比較した際に大幅に軽いことが特徴として挙げられます。
同年代のS550ロングが2180kgなので、500kg以上もの重量差があります。
車体が軽いことによるメリットは下記の通りとなります。
- 乗り心地が良くなる
- 加速が良くなる
- エアサスの負担が少ない
このようにいいこと尽くしなのです。
補足にはなりますが、さきほど挙げた新車価格が1000万円オーバーのラインナップと比べて「乗り心地がよいか」「加速が良いか」というとそういったわけではありません。
それらの車種は、エンジンや、その他の構造面でも大きなコストがかかっており、総合的にパワフルかつコンフォータブルな走りが楽しめるよう設計されているのです。
あくまで、同等ランクのモデルと比較した際には大きく乗り心地が上回っているケースが多いです。
かつ、上級モデルのSクラスにも総合的に近づいた走りがお楽しみいただけるでしょう。
エアサス車は価格が安い
このあと、搭載されているグレードの解説をしていくのですが、
先にメリットとして一つの結論をお伝えします。
それは、、、
「W205のエアサス搭載グレードは安い」です。
エアサスが搭載されているメイングレードは「C200 アバンギャルド AMGライン」という、W205 Cクラスの中でも上級グレードのモデルになります。
下位グレードの「C180 アバンギャルド AMGライン」とこのような表で比較してみました。
C180 アバンギャルド AMGライン | C200 アバンギャルド AMGライン | |
新車価格 | 502万円 | 559万円 |
中古車相場 | 170万円後半~ | 160万円~ |
中古流通割合 | 約15% | 約30% |
エアサス | ✕ | 〇 |
馬力 | 156ps | 184ps |
いかがでしょうか。
C200 アバンギャルド AMGラインの方が、C180アバンギャルド AMGラインよりも
『エアサス搭載車で乗り心地が良く、馬力も30馬力上なのでパワフルな走りが楽しむことができる。新車価格では高額だが、中古市場で流通量が多くC180 アバンギャルド AMGラインよりもお安くお買い求めいただくことができる』
といった、とてもメリットの多いグレードなのです。
なぜそのようなことが起きるのかというと、
ディーラーが「C200 アバンギャルド AMGラインを新車で多く販売」したからとなります。
W205 Cクラスから初めてCセグメントにエアサス搭載をすることが大きな話題となったため、新車時にもとてもプッシュされていたのです。
そのため、中古市場で多くの流通台数があり、相場がC180 アバンギャルド AMGラインに対して逆転をするといった現象が起きているのです。
これに気づいているかどうかで、車選びの軸は大きく変わるかと思います。
W205 Cクラス エアサスのデメリット
ここまで、エアサスがW205 Cクラスに搭載されていることのメリットは散々お伝えしてきました。
次に、W205 Cクラスにエアサスが搭載されていることのデメリットも包み隠さずお話していこうと思います。
これらのことをすべて含めて、車選びの参考にしていただければ幸いです。
故障したときに費用がかかる
エアサスのデメリットと聞いて、思いつくのは真っ先にこれではないでしょうか。エアサスの故障です。
これだけ乗り心地が良くなり便利なエアサスも故障をしてしまうことがあります。
通常は故障をした際にある程度の費用がかかってしまうのですが、これをお安く抑える方法もしっかりとあります。
後ほど、そういった故障部分のまとめ解説もしていきますのでご覧いただければと思います。
それ次第では、大きなデメリットでは無くすことも可能だと考えています。
エアサスの乗り心地が合わない場合がある
次のデメリットですが、乗り心地に特化したエアサスは、一部の方に合わないこともあります。
「少し浮いた状態で走行しているような乗り心地」と比喩されることも多く、
少しマイルドなふわっとした乗り味なのです。
これが「とにかく硬い乗り心地が好き」といった方や、「コアなスポーツ走行を楽しみたい」
といった方には少し物足りなさを感じるのではないでしょうか。
しかし、W205 Cクラスにはアジリティセレクトといった、乗り味を何段階か変化させ好みの乗り味で楽しむことができる機能があります。
こちらで、エアサスでも十分なスポーツ走行がお楽しみいただけるため、
ほとんどの方には満足いただけるかと思います。
そのため、こちらも大きなデメリットにはならない場合が多いです。
整備できる工場が限られる
エアサスは様々な部品により構成されている装備になります。
そのため、整備実績が豊富な工場で無いとメンテナンスができないといったデメリットがあります。
かつ、メルセデスベンツを整備する際には、専用の診断機DASが必要になります。
これが一般的な工場やカー用品店では持ち合わせていません。
そのため、ディーラーや専門店でないと、整備や修理ができないのでお気を付けください。
ここは、エアサスの整備実績が豊富な信頼できる販売店で購入をするか、
同様の整備工場に整備を出せる環境の方以外では大きなデメリットになるかと思います。
エアサスが搭載されているW205 Cクラス
エアサスの良し悪しは十分ご理解いただいた上で、
W205 Cクラスを検討するにあたってエアサス搭載モデルと、そうでないモデルを表にまとめたので、早速ご覧ください。
エアサス搭載 | |
C180 | × |
C180アバンギャルド | × |
C180アバンギャルド AMGライン | × |
C200アバンギャルド | × |
C200アバンギャルドAMGライン | 〇 |
C220dアバンギャルド | × |
C220dアバンギャルド AMGライン | 〇 |
ご覧の通り、エアサスは一部の上級グレードにしか搭載されていません。
これ以外にも上記グレードがベースになっている限定車や特別仕様車は、
ベースとなるグレードにより設定の有無が決まっているため、車名のみ表に当てはめてお考え下さい。
この表ではエアサスの搭載にしか触れていないので、各グレードの違いについて徹底解説している記事がありますので、よろしければ併せてご覧ください。
エアサスの故障や修理について
ここまでW205 Cクラスのエアサスについて様々解説してきました。
最後に、皆さまがもっとも気にされている、
「エアサスはどれくらい故障するの?」
「故障したら高額なんじゃないの?」
といった部分を解説していきたいと思います。
すでに故障経験があるオーナーの方は、
ある日このような表示がメーターに出てヒヤッとしたことがあるのではないでしょうか。
エアサスが故障するとこのような表示がメーターに出てお知らせしてくれます。
こんな時、エアサスのどんなところに不具合が起きている可能性があるのかを解説していきます。
まずはこの図をご覧ください。
細かい部品こそありますが、おおまかにこのような部品にて構成されています。
そして、この矢印の通りに指令を出していきます。
コンプレッサーで空気を生成し、バルブブロックに送り、その空気を各サスペンションに適切に分配するといった具合です。
故障をする原因は主に下記に通りです。
- エアサスがパンクしている
- コンプレッサーの不調
- バルブブロックの不調
そして、どうして故障してしまうのかというと、このような原因が挙げられます。
- 劣化によるエア漏れ
- 付加がかかりすぎた(エアが漏れているにも関わらず使用している)
- 電子的な故障
機械物なので完全な理由を追求することは難しいのですが、
今まで8,000台以上取り扱ってきた経験ではこのような理由が多いです。
そして、それぞれ修理をするといくらくらいの費用がかかるのかを概算価格でまとめてみました。
エアサス | 約15万円(1本) |
コンプレッサー | 約20万円 |
バルブブロック | 約20万円 |
エアサス本体は4本あるので、上記全て交換すると100万円にものぼります。
しかし、こちらの価格は独自調べによるディーラーにて交換をした際の金額になります。
これを、修理実績が豊富な専門店で交換をすることでグッとお安く抑えることができます。
理由としては2点ございます。
- 必要な箇所のみ交換する
- 優良品や社外品を使用する
必要な箇所のみ交換をするなんて当然じゃないかと思われがちですが、
ディーラーにて交換をすると、予備交換が含まれます。
そのため、サスペンション1本からエア漏れが起きていたとしても、左右2本、あるいは4本交換を提案されることがほとんどです。
そうすると一般ユーザーの方からすると、本当にその箇所の作業が必要かどうかの判断がつきづらいですよね。
経験豊富な専門店にて、ピンポイントで必要な箇所のみを交換することを推奨いたします。
また、ディーラーですと交換時に純正部品しか使用してもらえません。
優良品や社外品というのは、それぞれこの通りとなります。
優良品・・・純正と同等の部品になるがメーカーのマークがないもの
社外品・・・純正品とは別のメーカーが製造している部品
優良品であれば、ベンツのマークがないだけで同じ部品であるため、単純に同じものを安く購入することができます。
社外品であれば、価格がグッと大幅にお安くなります。品質面でも純正に引けを取らない物を使用すれば仕上がりにも一切問題はございません。
とにかく、そういった修理をするノウハウがある販売店や修理店に相談をすることがオススメします。
当社、フォレストインターナショナルはCクラスをメインに取り扱う関東最大級のメルセデスベンツ専門店になります。
過去にもW205 エアサス修理や交換の実績は非常に豊富です。
エアサスでお困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽に下記のフォームからご相談ください。
まとめ
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
W205 Cクラスを検討されている方や、すでにオーナーの方に少しでも参考にしていただければ幸いです。
フォレストインターナショナルは、W205 Cクラスの在庫台数が全国でもトップクラスです。
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ご覧いただきありがとうございました。