「メルセデス・ベンツが盗まれにくいって本当?」
「盗まれるか心配だから正しい対策を知りたい」
このようにメルセデス・ベンツの盗難リスクとその対策について、気になる方もいるでしょう。実際の盗難リスクは低いとされますが、油断はできません。
車のセキュリティシステムやアプリの活用だけでなく、自分でできる防犯対策もしましょう。
今回はメルセデス・ベンツの盗難リスクを踏まえ、現代の防犯対策を紹介します。これを読めばリスクを正確に把握したうえで、適切な対策を施せるようになるでしょう。
メルセデス・ベンツは盗難リスクが低いのか?

近年のメルセデス・ベンツは比較的盗まれにくいと考えられます。
盗難認知件数の減少傾向に加え、スマートキーの安全性や公式アプリ「Mercedes Me」などにより、誰でも盗難対策をしやすいからです。
ただし盗まれる可能性はゼロでないため、注意は必要です。ここではメルセデス・ベンツの盗難リスクを解説します。
自動車盗難の認知件数は減少傾向
自動車全体で見ると、日本全国の盗難認知件数は年々減っています。警察庁によると、過去10年の認知件数と検挙件数の推移は以下のとおりです。
| 認知件数 | 検挙件数 | |
| 2015年 | 13,821件 | 6,755件 |
| 2016年 | 11,655件 | 5,713件 |
| 2017年 | 10,213件 | 5,357件 |
| 2018年 | 8,628件 | 4,248件 |
| 2019年 | 7,143件 | 3,845件 |
| 2020年 | 5,210件 | 3,006件 |
| 2021年 | 5,182件 | 2,556件 |
| 2022年 | 5,734件 | 2,612件 |
| 2023年 | 5,762件 | 2,462件 |
| 2024年 | 6,080件 | 2,683件 |
2018年から認知件数が1万件を下回るようになり、近年は6,000件前後にとどまっています。
メルセデス・ベンツに限らず、各メーカーが車に防犯対策を施すようになったため、盗難リスクの低下が考えられます。
しかし、現在でも車の盗難が多発しているため、油断せずに対策しましょう。
メルセデス・ベンツはスマートキーに厳重な盗難対策を施している
メルセデス・ベンツはスマートキーを工夫しているため、盗難リスクが比較的低いと考えられます。
近年の車両盗難でよく見られる手口に「リレーアタック」があります。これはスマートキーから出る微弱な電波をとらえ、車を解錠する行為です。
しかしメルセデス・ベンツのスマートキーは、数分間未使用だと電波を発しなくなります。
他メーカーでは金属製の缶やアルミホイルに入れることで、電波が出にくくなっています。
一方、メルセデス・ベンツは電波そのものを出さないことで、盗難対策のレベルを高めているのが特徴です。このようにスマートキーの悪用を徹底的に防ぎ、盗難リスクを抑えています。
アプリ「Mercedes Me」で車の位置を把握しやすい
メルセデス・ベンツは、公式アプリ「Mercedes Me」を提供しており、スマートフォンとの接続によって車の位置の確認が可能です。
GPSで位置情報を追跡できるため、盗難が起きたときも早期解決に使えます。位置情報を常時チェックすることで、盗まれた車を取り戻せる可能性もあります。
Mercedes Meは現行モデルだけでなく、一部の中古モデルにも対応しています。月額費用はかかりますが、メールアドレスとパスワードだけで登録できるため、誰でも気軽に使えるシステムです。
まずはディーラーや中古車販売店で、自車がMercedes Meに対応しているか確認しましょう。対応している場合は、盗難対策としてダウンロードするのがおすすめです。
近年のベンツ車にはさまざまなセキュリティを備えたモデルがある
スマートキーやMercedes Me以外にも、近年のメルセデス・ベンツの市販車には多様なセキュリティが施されています。主な装備は以下のとおりです。
- イモビライザー:キー以外でのエンジン始動を防ぐ
- キーレスゴーエントリーシステム:ドアの施錠や解錠を行うシステムで、発進する信号を暗号化し、不正コピーによる盗難を防ぐ
- アラーム:不正な形でドアや窓が開かれたり、車が動かされたりしたときに鳴る
- 衝撃・傾斜センサー:衝撃を感知したり、持ち上げられたりしたときにアラームが鳴る
このように近年のメルセデス・ベンツ車は、あらゆる技術を盛り込むことで、徹底的な盗難対策をしています。
それでもメルセデス・ベンツが盗まれるリスクはゼロではない
近年のメルセデス・ベンツのモデルは、本格的なセキュリティが特徴です。しかし盗難リスクがないとは言い切れません。
一例としてスマートキー自体を盗まれると、それで自車を操作される可能性もあります。また車ごと吊り上げるような、大胆な手口で盗まれるケースも見られます。
メルセデス・ベンツは高級ブランドであるため、転売による利益を目当てに盗む人が現れるかもしれません。これに加えて、一部のパーツだけを盗む事件も見られます。
とくにバンパーやホイールなどは比較的取り外しやすいため、盗まれるリスクに要注意です。
メルセデス・ベンツの盗難対策を過信せず、自分で盗難を防ぐ取り組みを忘れないでください。
SUVやステーションワゴンは比較的狙われやすい
メルセデス・ベンツのなかでも、SUVやステーションワゴンは比較的盗難されやすいといえます。
これらのタイプは、コンパクトカーやセダンより積載量が多い傾向です。そのため日常的に使いやすく、海外への輸出需要もあります。
以上から窃盗の犯人は、SUVやステーションワゴンをターゲットにすることがあります。
メルセデス・ベンツのSUVはGLAやGLC、GLEなどが該当します。またCクラスやEクラスなどのステーションワゴンモデルも要注意です。
実用性に優れたモデルは比較的盗まれやすいので、ドライバーによる対策が欠かせません。
ドライバー自身でできる盗難対策5つ

メルセデス・ベンツを盗まれないためには、さまざまな対策が重要です。スマートキーの扱いやハンドルロックなどで、盗難リスクを抑えられます。
ここでは有効な盗難対策を5つ見ていきましょう。
スマートキーは電波遮断ケースに入れ厳重に管理する
スマートキーを電波遮断ケースに入れれば、悪用されるリスクを抑えられます。
近年はスマートキーを悪用したリレーアタックが見られるため、適切な管理が重要です。専用ケースで電波を遮断すれば、遠隔操作の可能性を低くできます。
さらに重要なのが、スマートキーを玄関から離れた場所に保管することです。
自宅前に駐車場がある場合、玄関に置いたスマートキーの電波を第三者が悪用し、ドアを解錠するおそれがあります。
とくに就寝時は、車のエンジン音に気づきにくいため、盗難に注意しなければなりません。
以上からスマートキーの電波を遮断するだけでなく、置き場所も慎重に考えましょう。
ハンドルロックやタイヤロックも効果的
盗難対策として、ハンドルロックやタイヤロックも有効です。
ハンドルロックはステアリングに取りつけることで、外部からの操作ができないようにできます。万が一セキュリティが破られても、ステアリングが動かなければ盗まれる可能性も低くなります。
タイヤロックも盗難対策に役立つアイテムです。鍵でタイヤを固定し、車が動かないようにするもので、運転席側のフロントタイヤに装着するのが主流です。
カー用品店やネットショップには、メルセデス・ベンツに対応したハンドルロックやタイヤロックもあります。盗難対策が必要なときは、どちらかを使ってみましょう。
各種セキュリティシステムが機能するかチェック
セキュリティシステムが問題なく動くかも要チェックです。
たとえばイモビライザーのランプやアラームなどが正常どおりに動かないと、外部からの侵入に反応しないことがあります。
またコネクテッドサービスが正しく設定されていないと、場合によっては盗難の抑止や車両追跡ができません。
とくに注意すべきなのが、中古のメルセデス・ベンツ車を買った場合です。新車と状態が違うことから、セキュリティ機能が働かないものもあります。
盗難リスクを想定して、購入前に各種システムが問題なく動くか確かめてください。また購入後にセキュリティ機能のトラブルが見つかったら、整備工場で直してもらいましょう。
駐車場のセキュリティにも気を配る
メルセデス・ベンツの盗難対策では、駐車場選びや停車時の工夫も大事です。
自宅前やその近くに駐車する場合は、住宅の窓から見えるポジションがおすすめです。窓の近くに停車することで、人の存在を感じさせやすくなります。
そのため侵入者は、心理的に車に手を出しにくいといえます。
他には、夜間でも明るい場所を選んだり、駐車場所に監視カメラをつけたりするのがおすすめです。
公共の駐車場を利用する場合は、なるべく出入口から遠い位置に停めましょう。駐車場の奥の方に停めることで、窃盗のターゲットになりにくくなります。
このように駐車する場所の安全性も、盗難リスクを左右します。
盗難被害に備えて車両保険に加入する
盗難被害に備え、車両保険に加入しましょう。車を盗まれた場合、保険金を受け取れるからです。
車両の盗難では多額の損失だけでなく、生活への影響も想定されます。保険金を受け取ることで、損害の一部をカバーしたり、生活費に充てたりすることが可能です。
車両保険には、一般型とエコノミー型があります。
一般型なら車の接触事故だけでなく、盗難や飛来物などあらゆる被害を補償してもらえます。しかしエコノミー型は月々の保険料が安くなる一方、単独事故や自転車との接触など一部が補償対象外です。
このような違いはありますが、基本的に盗難被害では補償を受けられるので、まだ入っていない方は検討してください。
実際に盗難されたときの対処法3つ

万が一メルセデス・ベンツを盗まれたときは、冷静な対処を心がけてください。大事な連絡や手続きなど、3つの対処法を紹介します。
警察や保険会社にすぐ連絡する
自車が盗難被害に遭ったら、まずは警察や保険会社にすぐ連絡してください。
盗難がわかった時点で警察に110番通報し、可能な限り状況を細かく伝え、被害届を提出しましょう。
また自動車保険に加入していれば、保険会社に盗難被害の連絡をしてください。盗難被害は原則補償対象なので、被害が証明されれば保険金を受け取れます。
警察や保険会社は、盗難被害時の優先的な連絡先として覚えておきましょう。
Mercedes Meで車の位置をチェック
アプリ「Mercedes Me」を利用している方は、車の位置を確かめておきましょう。
警察への連絡時に、車の位置を正確に伝えることは大事です。GPSで車の位置がわかれば、犯人の逮捕につながりやすくなります。
Mercedes Meは、盗難に早く気づくうえでも重要です。アプリにはジオフェンシング機能があり、ユーザーが指定した行動範囲を超えたときに通知が行われます。
そのため車が盗難されたときは、ジオフェンシング機能でユーザーが気づく可能性もあります。
盗難被害後に済ませておくべき手続き
メルセデス・ベンツが盗まれたときは、警察や保険会社への連絡以外の手続きも大切です。
盗難被害時にやるべきことは、以下のとおりです。
- 税事務所への申し立て
- 駐車場の一時利用停止
- 車の一時抹消登録
たとえば税事務所に盗難を申し立てれば、自動車税が保留されます。車のナンバーの管轄地域にある税事務所で、所定の手続きをしてください。
駐車場を借りていれば、盗難を申告することで一次的な利用停止措置が取られます。その場合は、駐車場代の支払いを保留できる可能性があります。
また運輸支局で一時抹消登録を済ませれば、自動車税の支払い免除のほか、還付を受けることも可能です。
車を盗まれたあとも、駐車場代や自動車税などがかかるので、余分な支払いを止める手続きが大切です。
まとめ

現代社会において、メルセデス・ベンツは盗まれるリスクが比較的小さいといえます。高度なセキュリティ対策に加え、社会的に車両盗難の認知件数が減少傾向だからです。
しかし高級ブランドであるため、輸出や転売を目当てに盗難を狙う人がいるかもしれません。セキュリティを過信せず、自身でできる対策も心がけてください。
万が一盗まれたときは、警察や保険会社に連絡するなど、冷静に対処しましょう。万全の盗難対策によって、安心してカーライフを送れるようになります。
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